自分の未来をはじめよう

脊髄損傷フットボーラーヤマシュウの人生再スタート

安定と不安定

安定を求めると不安になる、ヤマシュウです。

 

怪我をする前はとにかく仕事を成果を上げて、

会社という場所における安定を求めていた。

安定した売上や利益、安定した評価、安定した人間関係。

 

仕事においてそういう安定した居場所さえあれば、

プライベートでの心の持ち方も安定すると信じてた。

 

この考えは怪我をして完全にぶち壊されたのだが、

こうならなければ一生安定を求めて生きてたと思う。

 

もちろん誰もが不安定な生き方はしたくないのだが、

この世の中は絶えず変化して進んでいる。

諸行無常」というように、

形のあるものは無くなるし、

常識がある瞬間から非常識になる。

コントロール出来ない安定は安定ではなく不安定だ。

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だからこそ安定を求めすぎずに、

まわりの変化に対応できるように、

自分も変わっていける生き方が必要だと思う。

 

僕はラグビーの試合で一瞬にして身体の自由が奪われた。

10年以上築いてきた仕事も失った。

明日からの生き方すら分からない。

一気に不安定な人生に立たされることになった。

 

怪我してはじめの頃は動かない身体が奇跡的に動くことに甘い期待を寄せてるだけで、

自分の身体は動かなくなったという変化を拒み続けていた。

 

その間は治るはずもない自分の身体に気付きながらも、

出来ない事ばかりを数えていた。

治らなければどうしようと常に僕の心は不安定だった。

 

3年程経って同じ頸髄損傷の集まるリハビリ施設に入って、

同じ障害でほとんど動かない身体をまるで曲芸のように使い、

自信満々に日々の生活を送っている人達を目の当たりにしたことで、

ようやく自分の動かない身体を受け入れるようになれた。

 

やっとこの身体でできることを本気で探しにかかれた。

 

これは、自分の身体は動かないという変化を受け入れたからだ。

そして変化を受け入れた瞬間から一気に心が安定しだした。

 

どうなるかも分からない奇跡に甘い希望を寄せるより、

毎日のリハビリや生活でわずかに残された動く部分を工夫して、

一つ一つの動作を獲得すればいいのだった。

 

4年半経って会社の仕事に戻った。

怪我をする前までと同じような仕事は出来ない。

でも、意外と不安は少なかった。

それは変化することに対する考え方が変わったからだ。

 

おそらくこれからも僕の人生は不安定だろう。

ただ、不安定ながらも自分の気持ちに素直に生きていけそうな気はしてる。

 

不安定を受け入れて、

何が起こるかわからない世界を楽しんでいきたい。

それが安定なのかもしれない。